ロボット160台・ビン6万5000個。ソフトバンクロボティクスが川崎に「国内最大級」のAutoStoreを構築
ソフトバンクロボティクスが、SBフレームワークスの川崎事業所に高密度自動倉庫AutoStoreを含む物流自動化ソリューションを提供する。ロボット160台、ビン6万5000個、ワークステーション28台の規模で、保管能力は従来設備の最大4倍。最大揚高17mの3way高層自動フォークリフトも日本初導入する。
ソフトバンクロボティクス株式会社が、SB C&S の物流センター運営を担う SBフレームワークスの川崎事業所(ESR 東扇島ディストリビューションセンター内)に、高密度自動倉庫 AutoStore を含む物流自動化ソリューションを提供する。

同社が「国内最大級」とする構成は次のとおり。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| ロボット | 160台 |
| ビン | 6万5000個 |
| ワークステーション(ポート) | 28台 |
| 保管能力 | 従来設備の最大4倍 |
| 稼働開始 | 2026年1月以降(予定) |
通路を持たない倉庫
AutoStore は、作業通路を作らずにビン(収納容器)をグリッド状に積層して保管し、上部をロボットが走行して目的のビンを引き上げる方式の自動倉庫だ。人が歩く通路や、フォークリフトが通る幅を確保しなくてよいため、同じ床面積でより多くを保管できる。保管能力が従来設備の最大4倍という数字は、この構造から来ている。
今回の構成で技術的に目を引くのは、防火区画をまたいだ設置を実現した点だ。倉庫の防火区画は建築基準法上の制約で、通常は自動倉庫の設置範囲を区切ってしまう。グリッド構造のレイアウト自由度を使ってこれを回避したという説明になっている。ワークステーションには最新モデルの FusionPort を採用する。
AutoStore に加えて2種類のロボットが入る。
- Berkshire Grey(ピッキングロボット): ロボットアームによるピッキングに加え、商品入荷時に AutoStore の保管容器へ移し替える作業も自動化する
- BALYO(自動フォークリフト): 高スループット搬送とパレット段積み用の「LOWY」、そして最大揚高17mで狭通路に対応する3way高層タイプ「VEENY」。VEENY は日本初導入とされる
「入れる」と「出す」を分けて自動化する
この構成の読みどころは、工程を分けてそれぞれ別の機械を当てていることだ。
パレット単位の搬送と段積みは自動フォークリフト、ケースからビンへの移し替えはピッキングロボット、保管と取り出しは AutoStore。倉庫の自動化では「1台で全部やる万能ロボット」ではなく、工程ごとに最適な機構を並べるほうが現実的だという判断が、そのまま構成に出ている。
同じ考え方は、Locus Robotics が把持技術の企業を買収した件にも通じる。搬送は搬送、把持は把持で別の難しさがあり、それぞれに専用の解が要る。
公表されていないこと
判断材料として、いくつかの数字は公開されていない。
- 投資額・導入コスト: 非公表
- 時間あたり処理能力(出荷能力): 記載なし
- 倉庫面積: 記載なし
- 取扱商品点数(SKU数): リリースに言及なし
- 「国内最大級」の根拠・比較対象: 記載なし、第三者検証もなし
自動倉庫の導入判断では、保管効率と同じかそれ以上に、ピーク時の出荷能力と投資回収期間が効く。ロボット160台という数字は規模を示すが、それが1時間あたり何行分の出荷になるのかは示されていない。
日本の物流施設では、人手不足を背景に自動化投資が続いている。一方で、AutoStore のような高密度自動倉庫は初期投資が大きく、扱う商品の形状・回転率・季節変動によって適否が分かれる。この事例で参考になるのは規模そのものより、防火区画という建築側の制約を、機械のレイアウト自由度で解いたという設計判断のほうだろう。同じ制約は多くの既存倉庫が抱えている。